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価値ある言葉

著者:医療法人社団 治山会 小山歯科

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先日、たまたまテレビを観ていたら、日本のポップミュージシャンである石井竜也さんついての特集が放映されていました。

 

石井竜也さんといえば、音楽バンド「米米クラブ」のメインヴォーカルとして有名ですね。
米米クラブは、1990年代に数々のヒット曲を飛ばし、日本レコード大賞を受賞したり、紅白歌合戦に出場するなど、日本の音楽シーンのトップに上りつめたグループです。
私もカラオケに行くと、よく大ヒット曲の「浪漫飛行」を歌います。

 

しかし実は、石井竜也さんは小さい頃は絵を描くのが好きで、もともと音楽に限らず自分個人を表現したいという思いが強かったそうです。
その思いから、自らメガホンを取り、90年代半ばに2本の映画「河童 KAPPA(1994年)」「ACRI(1996年)」を製作しますが、芸術家としてのこだわりから、当時まだ高価であったCG(コンピューターグラフィックス)を多用し、巨額の負債を抱えてしまいます。
その結果バンドは解散し、ソロ活動で借金の返済を繰り返す日々となりますが、時には死を思うほどの極限状態に追い込まれたそうです。

 

そんな時に彼を支えたのは、絵が好きだった石井さんに絵を習わせ、家を継がなくていいから自分の好きなことをやれと言って東京の美術専門学校に送り出してくれた、父親の昭雄さんの次の言葉でした。

 

『お前の価値は、父親である俺が一番良く知っている。』

 

石井竜也さんは、
「どんな状況でも自分を無条件に認め、味方でいてくれる父の存在に私は救われました。」
と語っています。

 

私はこのテレビを観た時、この父親は「胆力」のある人だなと思いました。
本当に苦労を知っている、俗に言う肝っ玉のすわった人だったのでしょう。

よく苦労話をする人がいますが、そういう人ほど自分の苦労を自慢しているだけだということに気づいていないものです。
苦労が身についている人は、自分の苦労を語らず、本当の意味で人に優しく接することができるのですね。
この父親は、息子である石井さんに対して何かかっこいいことを言ってやろうと思ったわけではなく、男として、そして父親としての思いが、そのように言わせたに違いありません。

 

人生の局面でふっと出てくる言葉は、その人の生き様を表していると私は思います。

医療法人社団治山会 小山歯科

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